呼吸がもたらす最大のメリット

呼吸は唯一〇〇をコントロールできる!

愛知県東海市にある現役看護師が運営するフィットネスジム
【BEHAVIOR CHANGE FITNESS(ビヘイビア チェンジ フィットネス):BCF】
代表トレーナーの荒木裕也です。

前回のブログからの続きです。
『呼吸』が運動機能を向上させる以外に、僕たちのカラダにもたらしてくれる効果として最も重要なのは自律神経を自らコントロールして整えることができる!ということです。(〇〇に入る言葉は自律神経です)よく聞く言葉だと思いますが、そもそも自律神経を整えるとはどういうことなのかをまずは説明していきます。

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自律神経ってどんな神経?

まず、自律神経とは①交感神経と②副交感神経のことです。心臓や肺、腸や血管などの内臓を支配しており、血圧や脈拍、消化などの機能を無意識の内に常に身体にとって適切な範囲に調節してくれています。
この2つの神経は常にどちらも働いていて、その時々の状況に応じてそれぞれの働く割合が違ってきます。ネット等で調べてもらえば図でも分かりやすいものがすぐに出てくるので詳細は割愛しますが、簡単にいうと

交感神経(昼):活動・興奮=エネルギー消耗
副交感神経(夜):睡眠・リラックス=エネルギー産生

ところが、現代人は自律神経の乱れとして、この交感神経から副交感神経へのスイッチがうまく切り替えれない人が非常に多く見られています。
例えば、夜遅くまで明るい部屋でTVやスマホを見て、布団に入っても寝る直前までスマホを触っている人は多いと思います。本来、夜になると太陽の光がなくなり、目から入ってくる光の量は少なくなってくるはずです。それに伴って次第に昼間の交感神経から夜の副交感神経に切り替わり、1日の疲労を回復させエネルギーを産生するため睡眠への準備に入ります。しかし、いつまでもスマホの画面等から強烈な光刺激が入り、脳を活動させた状態ではなかなかスイッチは切り替わりません。そうすると交感神経が興奮したままとなり、浅い眠りで熟眠できず夢をよく見るようになってきます。これは身体がしっかりと休めていない証拠です。

スポーツの場面で考えてみましょう。
この自律神経のスイッチが切り替わらないことで起こりうるデメリットとしては緊迫した試合展開などの場合です。例えば野球でピッチャーをしていた場合の、0対0で迎えた9回裏2アウト満塁。
カウントは3ボール2ストライクのフルカウント。
ヒットを打たれてもフォアボールでも失点すればゲームセットの場面。こんな状況の時心臓はバクバク拍動し、手に汗がジワーと出てきてだんだん呼吸が浅くなってきます。周りの声もあまり耳に入ってこなくなり、焦って冷静に物事を考えることができなくなってくるでしょう。これはまさに交感神経が過剰に興奮している状態です。本来であればこんな時こそ冷静になり、必要以上に気負うことなく普段通りのピッチングをすることが求められます。
すでにお分かりかと思いますが、上記のようなスイッチを切り替えるべき時に横隔膜を使いゆっくりと『呼吸』を意識的に行うことで交感神経と副交感神経のバランスをコントロールすることができます。

自律神経が乱れているかのチェック方法

本来自律神経とは僕たちがどんなに意識してもコントロールできるものではありません。最初にお話した通り、僕たちはどれだけ意識しても心臓の鼓動を自由に止めたり動かしたりはできませんし、今日はたくさん食べたから消化をいつもより頑張ってしよう、なんてこともできません。自律神経がしていることは無意識下で自動的に調整してくれているからです。
しかし、自律神経の中で唯一意識的にコントロールできるものが上述した『呼吸』です。呼吸を利用して自分の自律神経が乱れていないかの簡単なチェック方法をご紹介します。

①まず片方の指3本(人差し指、中指、薬指)で反対の手首で脈を触れてみる
②そのまま10秒程脈のリズムを感じる
③次にゆっくり深く腹式呼吸を行いながら、先程と同様に脈のリズムを感じる

A:脈のリズムがゆっくりになった→自律神経は正常(切り替えができている)
B:変化なし→自律神経乱れている?(切り替えがうまくいっていない可能性あり)

100%確実な方法ではありませんが、1つの指標にはなるかと思います。
これ以外にも、見た目で首が短い人や、鏡の前に立った時にお腹の前の肋骨が浮き上がって見える人は普段から息を「吸いすぎ」ており、交感神経が過剰に働いている可能性が高いです。
僕自身も夜勤が連続で続いたり、ストレスが溜まると脈が不規則になり自律神経が乱れているのを感じます。そんな時は寝る前の布団の中やストレッチポールの上などでゆっくりと腹式呼吸を行い自律神経のスイッチを切り替えるようにしています。

普段は無意識に行なっている呼吸ですが、本当に奥が深く『健康』には切っても切れない大切なものですね。

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