運動能力を高める2つの重要なポイント

運動をする上で身体に求められる事とは

愛知県東海市にある現役看護師が運営するフィットネスジム
【BEHAVIOR CHANGE FITNESS(ビヘイビア チェンジ フィットネス):BCF】
代表トレーナーの荒木裕也です。

スポーツのパフォーマンスを上げたり、怪我をしにくい身体や、楽に動けるようになる為に必要なことはこの2点だと僕は考えています。

①『体幹部(腹部)の安定』
②『股関節と脊柱(胸郭)の柔軟性』

これは家事や散歩などの日常生活動作はもちろん、陸上、水中関係なくあらゆるスポーツでも重要となる要素です。
実際に僕のトレーニング指導を受けてもらっている方にもここは特に意識してアプローチしています。(もちろん個人差はあり必要があると評価した人に対してですが)
それではなぜこれらのことが大切なのかということを、今回は①について説明していきます。

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体幹とは何か

まず体幹ついて説明します。
体幹とは【頭と手足を除いた胴体の部分】のことです。その為、体幹トレーニングをする際は「クランチ」や「シットアップ」のような腹筋運動や「バックエクステンション」などの背筋運動をする人が多くいます。これらは全く運動をしていなかった人が自宅で簡単に行う運動としてであれば全く問題ないと思いますが、やり過ぎることでの弊害も出てくるのでBCFではあまり行いません。
もう1つ体幹と同じような言葉で「コア」と言うワードも良く聞くと思います。コアとは「核」のことで、より体幹部の深い部分のことを指しています。
このコアを更に具体的に専門用語でいうと『インナーユニット』と呼ばれる部分に当たります。スポーツのパフォーマンスを上げたり、楽に動けるようになる為には、このインナーユニットの働きが特に重要になってきます。

インナーユニットについて

インナーユニットとは

①横隔膜②腹横筋③多裂筋④骨盤底筋群

の4つの筋肉のことをまとめてこう呼びます。このインナーユニットの働きをシンプルに言うと
体幹を固定するのではなく「安定」させることと、最適な呼吸を行うこと』です。
僕のトレーニングを受けている学生たちに話を聞くと、体幹トレーニングをクラブや自宅でもしているけど何の為にやっているのかよく分かっていない学生がほとんどでした。また本やTVで見た体幹トレーニングのフォームを真似することに一生懸命になったり、何分同じ姿勢で耐えれたかを重要視した、怪我の原因にもなりかねないことを指導されているケースが非常に多いです。
インナーユニットを機能させるアプローチ方法はたくさんありますが、僕が指導する際に必ず最初に行うアプローチは「呼吸」です。

最も基本的であり重要なエクササイズ「呼吸」

インナーユニットを構成する筋肉の中に横隔膜と言う筋肉があります。実は横隔膜の役割こそが呼吸なんです。横隔膜は図のように胸とお腹の境界線になっており、横隔膜が収縮すると下に向かって動きます。そうすると胸のスペースが広がり、間接的に肺を膨らませ空気を吸うことができます。

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簡単に言うと、肺自身が広がったり縮んだりして空気を吸うのではなく、肺の下側にある横隔膜が動いて肺を広げていると思ってもらって大丈夫です。(余談になりますが、焼肉で僕が1番好きな部位のハラミは横隔膜です)
トレーニングを指導していてよく見られるのが、腹式呼吸などをしてもらうとお腹を大きく膨らませたり、薄く細くすることが苦手な人がとても多いです
反対に、お腹を意識して呼吸をさせているのに息を吸う際に肩や首まわりが動いてしまうケースもよく見られます。また呼吸の浅い人も同様に、呼吸時に肩や首回りが動きやすい特徴があります。
これは普段から横隔膜の機能を十分に使えておらず『副呼吸筋』と呼ばれる横隔膜以外の筋肉を使って呼吸をしていることで見られるサインです。副呼吸筋は「僧帽筋」や「斜角筋」といった首や肩周りにある筋肉が多く、これらが日常的に働いてしまっていると肩や首に不調が出てきやすくなります。
人は1日に約2万回の呼吸をしています。ちょっと極端ですが、2万回も肩の上げ下げをしたらどうなりますか?きっと肩や首はパンパンになってしまいますね。それどころか痛みも出てくるかもしれません。それが毎日毎日繰り返されたら・・・。もし肩や首の不調の原因が「呼吸」にあるのだとしたら、マッサージやストレッチをして一時的に良くなったとしても、次の日にはまた元通りになるのも納得できますよね。
ということで、副呼吸筋も激しい運動時やより多くの呼吸が必要な場合は横隔膜と一緒に使われるべきですが、普段の生活で呼吸をする際にはそれほど多くは使われないの方が良いです。

このように横隔膜の機能が低下している人はお腹の動きをじっくり観察してみるとよく分かります。自分のお腹への意識が薄いと横隔膜を自由に動かすことができないので、BCFでは最初にじっくりと呼吸エクササイズを通してインナーユニットにアプローチしていきます。
こうした呼吸を通して簡単に横隔膜へのアプローチを行うだけでも、直後に姿勢の変化が起こったり重い物を持っても軽く感じるような現象が起こります。
これは横隔膜を刺激したことで一時的に体幹(コア)にスイッチが入り安定したことで、手足を楽に動かしやすくなったからです。


ちなみにBCFでは様々な呼吸のエクササイズを指導していますが、大きく分けると3つあります。【お腹パンパンに吸えること】【最後まで吐き切れること】そして【腹圧を高めた状態を維持すること】の3つです。それぞれ目的が違ってきますので、またいつか機会があればブログでも書きたいと思っています(BCFメンバーの方には普段説明していますが、分からない方はいつでも聞いて下さいね)

少し長くなりそうなので今回は一旦ここまでとします。次回も引き続き横隔膜についてお話したいと思います。

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