スポーツのパフォーマンスをあげる腕立て伏せの方法

腕立て伏せできますか?

最近「腕立て伏せ」ができない人が増えています。特に多いのは女性と小中学生です。
女性や小中学生は単に腕の筋力がないからできない場合もありますが、そもそも腕立て伏せのやり方を間違えていたり、効率の悪い体の使い方をしていることが原因でできていないこともあります。
腕立て伏せは文字通り「腕」を「立てる」運動なので、ほとんどの人が腕を一生懸命使って腕立て伏せを行います。
一般的に腕立て伏せを行う目的は
【上腕三頭筋(二の腕の後ろ側)】    

【胸筋】

の2つの筋肉を鍛える為に行いますので、腕を一生懸命使ってもらっても構いませんが、BCFで指導させてもらっている腕立て伏せはちょっと意識してもらう部分が違います。どこを意識して行ってもらうかというと
「脇(ワキ)」=前鋸筋(ぜんきょきん) です。
以前のブログでも脇の重要性はお話しました↓

https://behavior-change.com/study/「脇(ワキ)」を使う

実は腕立て伏せは前鋸筋を効率よくトレーニングすることができます。更に前鋸筋は腹筋と足の内もも(内転筋)と連動していて、人間が本来使うべき筋肉での自然な動作で力を発揮することが可能となります。簡単に言ってしまうと「腕立て伏せは上半身と下半身を連動(連結)させながら行う、めちゃくちゃ良いトレーニングですよ」と言うことです(笑)
では腕立て伏せをどのようにするのが一番効果的か説明します。
BCFで指導している腕立て伏せのフォームで大切なことは

①手首が肩の真下にくる位置に手を置く
②頭からカカトまでが一直線
③一直線を保ったまま体を下ろして上げる
④下ろした時の手と頭の位置が三角形△になる
⑤肘は真横に広げず45度くらいの角度
⑥手のひらは指がまっすぐ前に向くか、やや外に開く
⑦下ろす時も上げるときも常に脇(前鋸筋)が軽く感じれるようにする
⑧体を上げるときにしっかりと息を吐く

このフォームを維持しながらの腕立て伏せができていると言うことは前述の脇〜お腹〜内もものラインがきちんと使えている状態と言えます。その結果、体幹部を土台として腕や足を楽に力強く使うことができたり、長時間の運動でも体の無駄なブレが少なくなり省エネで動くことができるなど、スポーツのパフォーマンスの向上につながってきます。参考までに良くないフォームも載せておきます。

見てもらえると分かるように、プッシュして身体を上げる際に腰が反り上がってしまい、お腹の力は完全に抜けています。更に身体を下ろす時に肘と頭の位置が三角形にならず横に一直線になってしまっているので、肩や首に必要以上に無駄な力が入ってしまっています。ご自分の腕立て伏せがこのような動きになっていないかチェックしてみて下さいね。

土台となる体幹部から遠い腕の力を一生懸命使うよりも、体の近い部分と連動して腕を使う方がはるかに動きの効率は良くなります。一番良いのは、この腕立て伏せをした後に立った時の姿勢が安定していたり、肩や首回りが少し楽に感じれるようになっていると正しい動きができたなと思って下さい。しかし、運動後に何も変化を感じなくても問題ありません。今まであまり使っていなかった部分なので、まずはそこを意識して使うことや、その部分を感じることが大切です。一番良くないのは、腕立て伏せ(他の運動でも同じ事が言えますが)をした後に体が重だるくなることや、肩や首回りに力が入ったままになっていたり呼吸がしにくくなっていることです。身体を機能的に使えるようになると言うことは、身体が楽になると言うことでもあります。

今回説明したのは基本的な腕立て伏せですが、更に負荷を高める場合は両膝の間にゴムボールを挟んだり、背中に重りを乗せたりして様々なバリエーションを増やすこともできます。

腕立て伏せは「腕」や「胸」だけのトレーニングではなく、全身のトレーニングだと言うことが分かって頂けたと思います。腕立て伏せができなくても生活に支障が出るわけではないので、別にできなくても構いませんが、身体をもっと楽にもっと自由に動かしていきたいのであれば間違いなくできた方が良いです!

 

PAGE TOP